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2011年7月 3日 (日)

星ケ塔の黒曜石

黒曜石縄文鉱山見学会の二回目、「下諏訪町和田峠」の観察会に参加してきました。見学場所は星ケ塔遺跡、下諏訪町教育員会の発掘担当者の方に案内、説明をしていただきました。

星ケ塔は、八島湿原の北西約1.5kmに位置する標高1590mの山です。ビーナスラインのすぐそばですから、これまで何度も目にしてきたはずですが、それと意識して見たことはありませんでした。ここは和田峠・霧ケ峰の産出地群の中でも、質の良い黒曜石が採れる場所とされています。

黒曜石について調べていると、和田峠産という言葉はよく目にするのですが、和田峠のどこに行けば岩脈を見れるのだろうかと疑問に思っていました。今回、伺った話では、何ヶ所かあった地表に現れていた露頭はすでに採り尽くされ、観察できる場所はもはやないそうです。ちなみに採り尽くされたのは石器時代や縄文時代の人によってではなく、黒曜石パーライトなど工業利用のためとのことです。

星ケ塔の黒曜石採掘坑の発見は昭和30年代まで遡りますが、本格的な発掘調査が行われたのは1997年から2007年にかけてのことでした(当日いただいた資料より)。この調査で星ケ塔の斜面に129ヶ所の採掘址(採掘坑を埋め戻しクレーター状の窪地になった場所)が確認され、そのうちの数ヶ所で試掘調査が行われました。今回は、採掘の痕跡がはっきりわかる黒曜石の岩脈まで掘り下げた、深さ4mほどの採掘坑を見学させてもらいました。出土した土器から、縄文時代晩期の採掘坑と確認されたものだそうです。

左から、星ケ塔の採掘址、採掘坑、黒曜石の破片。この日の撮影分は、こちらにまとめてあります。

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